概要

本プロジェクトは、AIと量子耐性を組み込んだ暗号通貨で、分散型かつハードウェア寄りのサービスを構築することを目的としています。本ホワイトペーパーでは、提案するソリューションの詳細について解説します。

技術概要

分散型アーキテクチャ

本プロジェクトは、ブロックチェーン技術を基盤とした分散型アーキテクチャを採用しています。以下に、その仕組みと利点を詳述します。

ブロックチェーンの仕組み
  • ブロックチェーン:取引情報を含む「ブロック」を連鎖的に繋げたデータ構造です。各ブロックは前のブロックのハッシュ値を含み、チェーン全体の一貫性とセキュリティを保証します。
  • 分散型ネットワーク:ブロックチェーンは中央管理者を持たないピアツーピアネットワーク上で動作します。これにより、システム全体の信頼性と透明性が向上します。
  • コンセンサスメカニズム:ネットワーク内の全参加者(ノード)が新しいブロックの有効性を確認するためのプロトコルです。これにより、改ざんが難しい堅牢なシステムが実現されます。

ハードウェア寄りの利点

本プロジェクトでは、非中央集権で書き換えが出来ない堅牢なシステムにAIを活用できる点が大きな特徴です。以下に、その利点を詳述します。

  • 堅牢性:専用ハードウェアによる暗号化処理は、高いセキュリティと信頼性を提供します。データの改ざんや不正アクセスを防ぎます。
  • 効率性:ハードウェアの利用により、処理速度と効率が向上します。特にAIアルゴリズムの実行において、並列処理能力を活かした高速なデータ処理が可能です。
  • スケーラビリティ:分散型ネットワークにおけるハードウェアの拡張は、ネットワーク全体のパフォーマンス向上に寄与します。これにより、将来的な拡張にも対応可能です。

使用する技術スタック

本プロジェクトでは以下の技術スタックを採用しています:

  • AI技術:機械学習、自然言語処理
  • 量子耐性アルゴリズム:ハッシュベースの署名、ECDSA、マルチシグ
  • ブロックチェーン技術:コンセンサスメカニズム、スマートコントラクト

量子耐性

量子コンピュータの脅威と影響

量子コンピュータの登場により、従来の暗号技術が脅かされる可能性があります。特に、量子アルゴリズム(例:Shorのアルゴリズム)は、従来の公開鍵暗号を破る能力を持っています。これに対処するため、本プロジェクトでは量子耐性技術を採用しています。

量子耐性アルゴリズム

  • ハッシュベースの署名:量子コンピュータに対して耐性を持つ安全な署名方式です。ハッシュ関数の安全性に依存しており、量子攻撃に対して強固です。
  • ECDSA(楕円曲線デジタル署名アルゴリズム):従来の署名方式に加え、量子耐性のための追加のセキュリティレイヤーを組み込んでいます。
  • マルチシグ(マルチシグネチャ):複数の鍵による承認を要求することで、セキュリティを強化します。量子コンピュータに対する防御策としても有効です。

セキュリティ

サイドチャネル攻撃への対応

ECDSA(楕円曲線デジタル署名アルゴリズム)は、サイドチャネル攻撃に対する対策を強化しています。特に、処理コンテキストの複雑化により、攻撃者が処理中の情報を盗むことを困難にします。ECDSAやその他の暗号方式において、周期の逆算の困難さを利用することは、非常に重要なセキュリティ対策です。

  • 処理コンテキストの複雑化:ECDSAの署名生成プロセスにおいて、ランダムな要素を導入し、処理時間やメモリ使用量を変動させることで、サイドチャネル攻撃を防ぎます。
  • 量子耐性:量子耐性アルゴリズムは、どのパターンでも常に変化し、処理時間が変わらないため、サイドチャネル攻撃に対しても高い耐性を持ちます。これにより、暗号資産の安全性をさらに高めます。

AIの役割と分散型ネットワークの設計

AIと分散型ネットワークの設計については、実際に体感できるサービスを提供することで、机上の空論にならないようにしています。具体的には、すでに「SORA-QAI FromHDDtoSSD」にこれらの技術を組み込み、ドライブの検査と統計処理を分散型ネットワークで実行しています。

  • SORA-QAI FromHDDtoSSD:このサービスでは、AIと分散型技術を活用し、ドライブの健全性検査を実施します。ユーザーは、実際にシステムを利用してその効果を体感できます。
  • 小型Linuxコンピュータへの拡張:近い将来、小型のLinuxベースのコンピュータをSORA-QAIに接続し、分散型の仕組みを活用して動作させます。これにより、小規模な実証実験から知見を得て、さらなる応用例を開発します。

ユースケースと応用例

トークン(AI-NFT)の活用

ユースケースと応用例の管理には、トークン(AI-NFT)を活用します。これにより、ブロックチェーンアプリケーションとしての精度を高め、信頼性のある管理が可能になります。

  • AI-NFTによる管理:トークンを利用することで、ユースケースや応用例の管理を効率化し、透明性とセキュリティを向上させます。
  • 実際の応用例:AIとブロックチェーン技術を組み合わせた具体的な応用例として、スマートコントラクトを利用した取引や、IoTデバイスの管理などが考えられます。

このように、本プロジェクトではAIと量子耐性を組み込んだ分散型かつハードウェア寄りの暗号通貨を実現し、その具体的なユースケースを通じて、実用性と信頼性を証明していきます。

2023年までの達成

SORA-QAI FromHDDtoSSD v3の開発は完了しており、実際に稼働しています。これにより、高精度でSSD/NVMeの故障を事前に検出することが可能となっています。

2024年以降の計画

2024年 [達成] 1Q – 2Q

  • SORA-QAIの基幹部分に量子&AI耐性を実装しました。

2024年中

  • SORA-QAI FromHDDtoSSDから得た知見を活用し、Raspberry Pi(ラズパイ)などのLinux搭載小型コンピュータをブロックチェーンで稼働させます。
  • AIによる自律した制御を研究し、このシステムをSORA-QAI小型コンピュータと呼びます。
  • 取引所向けの軽量版を開発し、取引所の数を増やします。

2025年

  • SORA-QAI小型コンピュータをドローンなどに搭載し、非中央集権で稼働させ、その軌跡を追跡します。
  • SORA-QAI FromHDDtoSSDは、引き続き稼働し、SSD/NVMeの故障を従来の方法よりも高い精度で事前に検出します。

結論

本プロジェクトは、すでにモバイル向け(Android、iOS)のウォレット開発を進めており、2024年の2Qまたは3Qにリリースを予定しています。このリリースにより、一気にサービスの拡充を図ります。

本プロジェクトは、AIと量子耐性を組み込んだ分散型かつハードウェア寄りの暗号通貨システムを通じて、より安全で効率的なデジタルエコシステムを提供します。ユーザーの皆様には、この新しい技術の可能性をぜひ体感していただきたいと考えています。今後の進展にもご期待ください。